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ペースメーカー外来

ペースメーカー外来とは

ペースメーカー外来とは、心臓にペースメーカーという小さな装置を植込んでいる患者さんが、定期的にその装置の状態をチェックし、適切に機能しているかを確認するための診察です。

ペースメーカーは、心臓のリズムを正常に保つために必要な電気刺激を送る装置です。心臓が正常に拍動しないと、体に十分な血液を送り出せず、疲れやすさや息切れといった症状が現れることがあります。そのため、ペースメーカーを使用することで、心臓がしっかりと働くようにサポートします。

ペースメーカー外来では、以下のようなことを行います。

  • ペースメーカーの動作チェック
    医師や技師が専用の機器を使って、ペースメーカーが正しく作動しているかどうかを確認します。
  • 各種設定の調整
    必要に応じて、ペースメーカーの設定を微調整し、患者さんの生活に合った最適な心拍数を保てるようにします。
  • バッテリーの確認
    ペースメーカーにはバッテリーが内蔵されており、その残量を定期的に確認します。バッテリーが少なくなったら、交換が必要です。
  • 症状の確認
    ペースメーカーを植込んでからの体調や気になる症状がないかを伺い、必要なアドバイスを行います。

このような定期的な外来を受けることで、ペースメーカーが長期にわたって安全かつ効果的に働き続けることができるようにしています。

ペースメーカーの仕組みについて

ペースメーカーは、心臓が正常に拍動しない場合に、そのリズムを整えるための医療機器です。具体的には、心臓が適切なタイミングで収縮するように、電気的な刺激を送る装置です。

ペースメーカーの構成

ペースメーカーは主に以下の部分で構成されています。

1. パルスジェネレーター(本体)

これは、電気信号を作り出す部分です。バッテリーとコンピュータチップが内蔵されており、心臓に送る電気刺激の強さやタイミングを制御します。

2. リード(電極線)

これは、本体から心臓に電気信号を伝えるための細いワイヤーです。リードは心臓の内部に挿入され、心臓の壁に固定されます。ペースメーカーが送り出した電気刺激は、このリードを通じて心臓に伝わります。

3.ペースメーカーの働き

心臓には、電気信号が自然に発生し、その信号によって心筋が収縮して血液を全身に送り出す仕組みがあります。しかし、心臓の自然なペースメーカーが正常に働かない場合、心拍が遅くなったり、不規則になったりすることがあります。これを徐脈(じょみゃく)や不整脈と呼びます。ペースメーカーは、これらの問題を補正するために使用されます。

具体的には次のように働きます。

  • 心拍をモニター:
    ペースメーカーは、常に心臓のリズムを監視しています。もし心拍が遅くなりすぎたり、不規則になったりした場合、ペースメーカーがその異常を検知します。
  • 電気刺激を送る:
    異常が検知されると、ペースメーカーが心臓に電気的な刺激を送ります。この刺激により、心臓が収縮し、正常なリズムを取り戻します。

ペースメーカーは、必要なときにだけ電気刺激を送るように設定されているため、心臓が正常に拍動している場合は、干渉することなく自然なリズム このように、ペースメーカーは心臓のリズムを正常に保つための重要な役割を果たしており、特に心拍が乱れやすい方や、心臓の電気信号に異常がある方にとって、非常に効果的な治療法となります。

ペースメーカーに関するご質問

ペースメーカーを植込みしてから、動悸が起こるようになりました。大丈夫でしょうか?

ペースメーカー植込み手術により徐脈は改善できても、頻拍(脈が速くなる不整脈)はペースメーカーを植込んでも治りません。植込み後に動悸の症状がみられる場合は、動悸の症状が何か特定することが必要です。ペースメーカーには頻拍を治療することができなくても、記録する機能があります。頻拍が記録されている場合は、それに応じた頻拍を抑える薬剤(抗不整脈薬など)の服用が必要です。頻拍を抑える薬剤を服用すると、脈がゆっくりになりますが、ペースメーカー植込み後であれば特に問題はありません。(脈が遅くなりすぎることはありません。)
頻拍の記録がない場合は、動悸症状が生じる疾患に対して別の視点から検査を行います。

不整脈以外の同期の原因については、以下のページをご参考ください。

動悸の原因

ペースメーカーはいずれ交換が必要ですか?

ペースメーカーのジェネレーター(本体)の中には、IC回路のほかに、電池が含まれています。電池は充電することができないため、10年前後で交換が必要です。一方で、患者さんがもともと抱えている不整脈によってペースメーカーへの依存度は異なるため、この電池の消耗期間も患者さんによって異なります。短いと5年、長いと15年程度、電池がもつ患者さんもいらっしゃいます。